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産業革命により社会はより不平等になったのか? 不平等性の新しい捉え方

これまで不平等というと、実現されている不平等に注目してきた。
しかしこの論文では、不平等可能性フロンティア(Inequality Possibility Frontier [IPF])
という概念を導入し、「現実の不平等性」と「仮説上可能な最大の不平等性」の比率である
「不平等実現比率」(Inequality Extraction Ratio)という新しい測度を提言している。

“Measuring Ancient Inequality”
Branko Milanovic, Peter H. Lindert, and Jeffry G. Williamson
2011. Economic Journal, forthcoming.
おすすめ度:
★★★★☆ [星四つ] 不平等が気になる方へ 
★★★☆☆ [星三つ] 歴史データを扱う方へ
★★☆☆☆ [星二つ] その他の方々へ

結論として、
 (1)産業革命の前後でジニ係数に大きな違いは見られない。
 (2)「不平等実現比率」は、現代に比べ、産業革命以前の社会の方が著しく高かった。
つまり、「産業革命が社会をより不平等にした」という主張は否定された。
また、現代社会はもっと不平等になりうるが、なにかしらの理由で不平等の実現が
抑えられていることが示された。

すごく面白い試みだと思うが、最大の難点は「不平等実現比率」をどう解釈するかだ。
いまのままでは政策的含意を導き出すのはかなり難しい。

この論文はJeffry Williamsonがセミナーで発表してくれた論文だ。
ワーキングペーパーは2007年のもので、EJに受理されるまで約4年もかかっている。
彼としては、ワーキングペーパーの方がいい論文に仕上がっていると断言していた。
また、著名になると世界中から歴史データが続々と集まってくる話なども面白かった。
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