スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

研究小話:社会科学の役割―開発経済学の視点から

既にこちらで紹介されているTEDセミナーだが、非常にお勧めなので改めて紹介したい。
このセミナーでは、開発経済学の視点から、社会科学の役割を明快に説明している。
社会科学の方だけでなく自然科学の方にも見てほしいセミナーだ。
発表者は経済学者のSendhil Mullainathanだが、専門的な内容は皆無だ

“Solving Social Problems with a Nudge”
おすすめ度:
★★★★★ [星五つ]  開発経済学関係者へ
★★★★☆ [星四つ]  自然科学関係者へ
★★★★☆ [星四つ]  その他の方々へ

英語さえ分かれば、内容はいたってシンプルだ。ただ、「英語はちょっと」という方のために
一部を要約しておく。

インドにおける乳幼児死亡率(Child Mortality Rate)は、1960年には24%(IMR240)
もあり、主な死因は下痢だった。しかし、経口補水塩(Oral Rehydration Salts)の発明
により、現在では6.5%(IMR65)にまで削減できた。ただ、6.5%まで削減されたとはいえ、
いまだに40万人もの子供達が下痢で死んでいる。

なぜか? 経口補水塩が手に入らないのか?  経口補水塩では治せない下痢なのか? 
答えは否だ。経口補水塩はほとんど無料で手に入り、経口補水塩で完治可能な
下痢なのに、いまだに下痢で死亡する子供達が40万人もいる。
つまり、技術的には解決可能なはずのに、なぜか最後の一歩で足踏みしているのだ。

このような問題はラスト・マイル問題(The Last Mile Problem)と呼ばれており、
これまで費やしてきた多大な技術的+科学的努力を考えると、ぜひとも解決したい問題だ。
そして、このようなラスト・マイル問題は人間側の意志決定の問題であり、
それを解決するのが社会科学の重要な役割の一つである。


これまで見てきた経済学者の中で、一般の方へのプレゼンが最も上手い一人だと思う。
プレゼンの技術という意味でも、非常に参考になった。
スポンサーサイト
カレンダー
04 | 2010/05 | 06
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最新記事
プロフィール

回り道して日本に戻って来た研究者。もろ農経だと需要がないので、かろうじて農経でがんばっています。

詳細は、「はじめに」を参照してください。

カテゴリ
EJ (1)
JPE (2)
全ての記事の一覧

記事タイトルの一覧を表示する

過去のアーカイブ
かろうじて農経なアンテナ
最新コメント
最新トラックバック
RSSリンクの表示
カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。