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男女比と起業家精神と経済成長@中国

今回はコロンビア大のShang-Jin Weiがセミナーで発表してくれた論文だ。
また、Xiaobo Zhangと変わりネタをやっているようだ。

既存の研究では、男女比の不均衡は経済成長に負の影響があると言われている。
しかし、アジア(男女比不均衡で有名)の経済成長をみていると、些細な影響しかない
のではないかと思われる。そんな中、この論文は、起業家精神を論理に組み込むことで、
男女比不均衡が経済成長に正の影響をもつ可能性を検証している。
キモは、男女比の経済成長への重大な影響、それも既存の予想とは真逆の影響を
実証している点だ。

“A Darwinian Perspective on Entrepreneurship: Evidence from China”
Shang-Jin Wei and Xiaobo Zhang
2011. Working Paper.
おすすめ度:
★★★★☆ [星四つ] 男女比の経済的影響に興味のある方へ 
★★★★☆ [星四つ] 中国研究関係者へ 
★★☆☆☆ [星二つ] その他の方へ  

主なストーリーは以下のとおりだ。女性に比して男性の数が少ないと、
男性にとって結婚相手を見つけるのが難しくなる。
そして、他の条件(外見や教育レベルなど)が同じなら、よりお金持ちの方が
結婚相手を見つけやすい。そのため、男女比が不均衡になればなるほど、
嫁獲得競争が激しくなり、お金持ちになるために起業家を志す若者が増え、
活発な起業家活動は経済成長を促進する。ちなみに、若者の起業家志向に
関しては、結婚市場を見越した両親や親族の影響も大きい。

このストーリーを実証するため、男女比と私企業成長率の地域差が大きい中国に
注目している。主な結果は二つ。
(1)男女比の地域差で、新しい私企業の成長率における地域差の約50%を説明できる。
(2)男女比が4ポイント増えると(2000年から2005年の実際の変化)、年間GDP成長率が
   2.04%ポイント増える。2.04%ポイントは、同時期のGDP成長率の約20%にあたる。

今回の論文はまだ草稿の段階だ。
これから、一人っ子政策を支持しているような誤解を与えないように議論を書き直して、
理論モデルを加えたいと話していた。個人的には、操作変数(IV)にもやや疑問が残るが、
ストーリーの面白さのほうが勝っている。 

ちなみに、Shang-Jinは去年からJDEのコエディタをやっている。
ランチ中にJDEの査読プロセス(特にその遅さ)について質問しよう思っていたのに、
失念してしまった。残念…。
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