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栄養情報と味の好みとGM作物への支払意志額

二本目。
この論文は、ウガンダにおける消費者の「ビタミンAをバイオ強化したスウィートポテト(OSP)」
への支払意志額をより厳密に推計しようと試みている。この論文の(個人的な)キモは、
消費者の知識や味の好みが支払意志額に影響することを実証した点だ。

“Are Consumers in Developing Countries Willing to Pay More for Micronutrient-Dense Biofortified Foods? Evidence from a Field Experiment in Uganda”
Shyamal Chowdhury, J. V. Meenakshi, Keith I. Tomlins, and Constance Owori
2011. American Journal of Agricultural Economics, 93(1): 83-97.
おすすめ度:
★★★★☆ [星四つ]  途上国の微量栄養素栄養失調の研究者へ 
★★★★☆ [星四つ] アフリカでのGM作物の需要が気になる方へ

主な結果は、
 • OSPへの支払意志額が、「GMであること」や「見た目や味の違い」により、
  既存のスウィートポテト(TSP)への支払意志額を有意に下回ることはなかった。
 • TSPよりOSPの方が栄養価が高いという情報を与えると、TSPに比べOSPへの
  支払意志額が約25%高くなった。
 • 消費者の味の好み次第で、OSPへの支払意志額がTSPへの支払意志額より
  高くなったり低くなったりしうる。

この分析は消費者サイドに注目したもので、生産者や環境の問題は全く考慮されていない。
ただ、消費者がGM作物にどれくらい多く(もしくは少なく)支払いたいかという情報は、
生産者が利益を出せる投入財や投資財の価格(種子、肥料、灌漑など)を議論する上で
不可欠だと思われる。

GM作物の賛否に関しては、賛否両サイドともに一方的な(感情的な?)議論が多い。
そんな問題だからこそ、データに基づいた証拠の積み重ねが重要になってくると思う。
しかし、AJAEに反GM論文が載ることはなさそうだなぁ…。
ヨーロッパ系の学術誌(ERAEやFP)ならいけるかもしれない。

この号には、これら二本以外にも開発系の論文(マイクロファイナンスなど)が多くて面白かった。

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