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健全な食生活を推進するために:カロリー情報 vs. 注文しやすさ

最近、メニューに摂取カロリーを併記するレストランが増えている。
ダイエットやメタボ対策のためのカロリーコントロールに役立ててもらうためだ。
しかし、「実際に効果があるの?」と疑問に思う方も少なくないだろう。
そんな方におすすめなのが、今回の論文だ。

この論文のキモは、「カロリー情報の提供(Information approach)」と
「注文しやすさの操作(Asymmetric paternalistic approach)」といった異なる二つの
アプローチの総摂取カロリー量への影響を、フィールド実験を用いて検証している点だ。

“Promoting Healthy Choices: Information versus Convenience”
Jessica Wisdom, Julie S. Downs, and George Loewensten
2010. American Economic Journal: Applied Economics, 2(2): 164-178.
おすすめ度:
★★★★☆ [星四つ] 健全な食生活を推進したい研究者へ 
★★★★☆ [星四つ] 農業経済学関係者へ
★★☆☆☆ [星二つ] その他の方々へ

実験には、サンドイッチ店に来店した客638名(肥満率41%!)が参加している。
被験者は、デザインの異なるメニューからサンドイッチを注文する。
メニューのデザインは以下の3点の組み合わせで決まり、全部で12種類ある。
  1. 一日の推奨摂取カロリー量の表示: 有・無
  2. 各メニューのカロリー量の表示: 有・無
  3. 注文しやすさの操作: (a)・(b)・無
    (a)お勧めメニューとして、5つのサンドイッチをメニューの表紙に載せる。残りの
      サンドイッチは、折りたたまれたメニューの内側に載せる。また、メニューは
      紙シールで封がされており、内側を見るには封を切る必要がある。
    (b)お勧めメニューとして、5つのサンドイッチをメニューの表紙に載せる。残りの
      サンドイッチは、2ページ目に載せる。また、表紙のメニューの注文はボックスを
      チェックするだけだが、2ページ目のメニューを注文する際はメニュー名を
      記入する必要がある。
サンドイッチを注文した後に、飲み物と添え料理(チップスやフルーツなど)も注文できる。
飲み物と添え料理のメニューは同一で、カロリー量が表示されている。

主な結果は、
  ・1と2の表示により、平均総摂取カロリーがそれぞれ37.8kcalと60.7kcal減った。
   1と2の相乗効果はみられず、効果は加法的だった。 
  ・3(a)の操作により、平均総摂取カロリーが76.7kcal減った。
  ・3(b)の操作では、サンドイッチからの摂取カロリーは減ったが、飲み物や添え料理
   からの摂取カロリーが増えて、総摂取カロリーは減らなかった。
  ・1や2の効果は、正しい情報を伝えたため(Information effect)ではなく、
   摂取カロリーへの注意を喚起したため(Salience effect)かもしれない。
  ・肥満者の総摂取カロリーへの効果はみられなかった。
これら結果は、カロリー情報や注文しやすさがメニューの選択に影響しうることを示している。
同時に、非肥満者に比べ肥満者への効果は小さく、肥満対策としての効果は小さい。

ありそうでなかった論文で、注文しやすさの操作の仕方など、色々と興味深かった。

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